今回、韓国に行く予定は全くなかった。
以前の仕事関係の知人から前々から誘われていて、今回は人数が多く、何度も韓国に行っている私が一緒なら助かると言われていた。
いろいろあって結局行くことになったのだけど、病院の診察が長引いた為、出発はかなりギリギリになった。
韓国に着いた頃には、もう夜中に近かった。
まあ、それでも行ってしまえば楽しい。
韓国は24時間営業が多く、美味しいものを食べ、カフェに行ったり、好きなことをして過ごした。
私自身、韓国には何度も来ているので、さすがに慣れてきた。
NAVERマップという便利なアプリがあるし、電車の乗り方もだいたい分かる。
昔みたいに「ここどこなんだろう?」と迷うこともかなり減った。
ただ、今回ちょっと気になったのが電車だった。
韓国の電車って、めちゃくちゃ容赦なく扉が閉まる。
日本だったら、まだ乗ろうとしている人がいたら車掌さんがもう一度扉を開けてくれたりする。
韓国では、そんなことを期待して横でおとなしく待っていたら、本当に乗れないことがある。
私は日本での癖で、まず降りる人を待つ。
ところが向こうでは、人がまだ降りている途中なのにどんどん乗ってくる人もいる。
最初は「なんでそんなに慌てるんやろ」と思っていた。
でも、今回、容赦なく私の前でドアが閉まった。
ああ、のんびり待ってたら乗られへんのか。
席取りもなかなかすごかった。
一度、私が扉の一番前にいて、電車が来たら目の前に10席くらい空いていたことがあった。
これなら余裕で座れるなと思っていたら、後ろから来た人たちが次々と私を追い越して席を取っていく。
気がついたら全部埋まっていた。「え、一番前に並んでたのに?」皆が必死過ぎて笑ってしまった。
まあ私は、電車では座るより立っている方が気楽なこともあるので別にいいのだけど、若い人だから遠慮するとか、お年寄りだからどうするとか、そういう感じでもない。
みんな席を見つけたら行く。そこは日本とずいぶん違うなと思った。
それで、日本に帰ってきたときはやっぱり思った。
日本ってきっちりしてるなあ、と。
列には並ぶし、電車では降りる人を先にする。公共の場所では、できるだけ人に迷惑をかけないようにする。
そういうところはやっぱり日本のいいところだと思う。
でも今回、なぜかそこで引っかかった。
じゃあ日本人って、本当にそんなに優しい人たちなんだろうか。
YouTubeなんかを見ていると、外国人が日本に来て「日本人は親切だ」「礼儀正しい」「日本は素晴らしい」と驚いている動画がたくさん出てくる。
見ていたら気分もいい。
私も日本人なので、悪い気はしない。でも、そんなに日本人って特別なんかな?
だって私は、その日本の社会で、人間関係のストレスで体調を崩して、心療内科に通うようになった人間だから。
もちろん病気の原因なんて一つではないし、全部を人のせいにするつもりもない。
ただ、働いていた頃を思い出すと、やっぱり人に疲れたことは多かった。
医療や福祉の世界なんて、人の気持ちや病気について普通の人より勉強している人がたくさんいる。
カウンセリングや認知症について勉強している人だっている。
それでも、人を傷つける。
そして人について勉強してきた本人が、うつになったり心を病んだりする。
なんだか変な話だと思う。
仕事をしていた頃、「認知症になっても安心して暮らせる町」とか「地域で支え合う社会」とか、そんな立派な言葉を何度も見てきた。
でも実際に困っている人のことで地域や行政に相談すると、話は全然違うことがあった。
「何かあったら責任取れるんですか。こっちも困る。今日入院させてくださいよ!」
そんなことばかり言われていた。
そのたびに思った。
だったら、ホームページにあんな立派なこと書くなよ、と。「地域のつながりが大切です、みんなで支え合いましょう」
言葉にすればすごく綺麗だ。
でも、本当に困っている人が目の前に来たときに、それができる人は本当に少ない。
そんな経験を何度もしてきた。
だから韓国の電車で「マナー悪いなあ」と思いながら、妙なことを考えてしまった。
日本人はルールを守る。
これは確かだと思う。
でも、ルールを守ることと、人に優しいことって同じなんだろうか。
たぶん違う。
日本人は、表立って揉めることは少ない。
電車の中で誰か気に入らない人がいても、大声で文句を言ったりする人はそれほど多くない。
でも、何も思っていないわけではない。
黙って睨む。距離を取る。陰でコソコソ言う。集団の中で、なんとなくその人だけ居づらくする。
言葉にはしないけれど、「あなたのこと気に入ってませんよ」という空気だけはしっかり、キッチリ伝えてきやがる。
そういう怖さは、日本にはあるような気がする。
海外で暮らしている姉から以前、「向こうなら嫌な人がいたら、その人から離れる。気がついたらその人の周りから人がいなくなる。でも日本は、同じ集団の中にいながら圧をかけ続けることがある」と聞いたことがある。
もちろん、それも国によって違うだろうし、全員がそうだとは思わない。
でも、なんとなく分かる気がした。
そう考えると、韓国人だからどう、中国人だからどう、日本人だからどう、と簡単に分けるのも違うのかなと思う。
今回の韓国でも、電車では「なんやねん。お前ら!嘘やろ!」と思うことが何度かあった。
でも店に入れば、ものすごく愛想のいい人が多い。
頼んでもいないものを「サービス」と言って出してくれたりする。
ニコニコしながら世話を焼いてくれる。
以前仕事で会った韓国人や中国人の研修生にも、本当にいい人がいた。
反対に、日本人でも二度と関わりたくないと思った人はいる。
結局、国籍で人間を説明するのは無理なんだろう。
日本人は素晴らしい。韓国人、中国人はこうだ。そう決めてしまえば、世界は分かりやすくなる。
でも、分かりやすくなった代わりに、自分の見える世界はものすごく狭くなる気がする。
日本に帰ってきて、きちんと列に並んでいる人たちを見るとホッとする。
やっぱり日本はいいなとも思う。
それでいいと思う。
サッカーの日本代表が試合をしていたら、日本を応援する。それも当たり前だと思う。
でも、そこから「だから日本人は他の国の人より優れている」とまで考える必要はない。
日本人にも優しい人はいるし、冷たい人もいる。
韓国にも中国にも、それ以外の国にも同じようにいる。
たぶん、それだけの話なんだろう。
理不尽なことなんて、世界中どこへ行ってもあるのかもしれない。
そんなことを考えながら帰ってきた韓国旅行だったけれど、旅行そのものはかなり楽しかった。
食べ物は相変わらず美味しい。




ただし、韓国はもう全然安くない。
円安もウォン高もあって、昔みたいに「韓国に行ったら安く遊べる」という感じはほとんどなくなった。
普通に食べたら1,000円なんてすぐ超える。
「韓国、高っ」
何度かそう思った。
日本、大丈夫か。
そんなことまで考えてしまう。
それでも料理は美味しいし、「もう食べられへん」と言っているのにまだ出てくるくらい量も多い。
店の人も親切だった。
そして、盛り上がった結果、
「11月も行こう」
という話になった。
いや、私は11月か12月に九州の復興支援も兼ねて奄美大島へ行こうと思っているのだけど。
そう言ったはずなのに、なぜか韓国行きまで決まってしまった。
しかも、もう予約した。
次はみんなで「ヌタウナギ」を食べるらしい。
写真を見た。
なかなかの生き物だった。
これを最初に食べようと思った人はすごい。
私は海鮮が好きなので、一度くらい食べてみようと思っている。
韓国へ行って、電車で腹を立てて、日本人について考えて、帰ってきて、また韓国を予約する。
我ながら何をしているんだと思う。
でも、案外これくらいでいいのかもしれない。
この国はこう。
この人たちはこう。
世の中はこういうもの。
そんなふうに全部決めてしまわない。
嫌なことがあれば腹も立つし、いい人に会えば嬉しい。
行ってみて、見てみて、そのとき自分が感じたことを考える。
そして面白そうだったら、また行く。
今の私には、それくらいがちょうどいい。

一緒に行った若手の看護師が、韓国で流行っていると、スマホケースと中のアクセサリーを買い、作ってくれた。
可愛いーでしょー。と言っていたが、おっさんにこれを着ける勇気はないぞ!

今回は拳銃も何丁か撃ちました。この銃は日本の警察と同類の銃です。腹立つ奴の名前を叫びながら撃つと標的に当たる当たる!
前々回ハゲチャビンのブログを書きました。今回「実は私もハゲチャビン」と言えたら面白かったのですが、生えてます。








